旧世代Ryzenでも日常用途はまだ戦える?
4万円台の「BOSGAME E5」
Ryzen 3 5300U、16GBメモリ、512GB NVMe SSD、デュアル2.5GbE。4万円台のミニPCが、普段使いからゲームまで、どこまでこなせるのか実機で測った。
物価が高騰しているときに限ってPCが欲しくなるのは世の常。今日も懲りずにミニPCを探していたところ、Ryzen 3 5300U、16GBメモリ、512GB NVMe SSDを搭載し、タイムセール価格で40,999円になっているBOSGAME「E5」を発見。CPUは新しい世代ではないものの、4コア8スレッドにRadeon内蔵GPUを備え、さらに2基の2.5GbE LANまで搭載する。高価なミニPCほど高性能なのは当然だが、4万円前後の製品が実際にどこまで使えるのかは気になるところだ。そこでCPU・GPU性能、SSD、ブラウザ性能、冷却、消費電力まで実機で測ってみた。
SELF-PURCHASED / AMAZON AFFILIATE
BOSGAME E5 16GB / 512GB
レビュー機は自費で購入しています。本記事にはAmazonのアフィリエイトリンクを含み、リンクから商品が購入された場合、SFFMetricに紹介料が入ることがあります。
4コア8スレッドと16GBメモリ
今回の実機はRyzen 3 5300U、16GB DDR4-3200、512GB NVMe SSD構成。CPU-ZとHWiNFOではRyzen 3 5300Uを4コア8スレッドとして認識し、GPUは6CU・384シェーダーのRadeon Graphicsとして表示された。
| CPU | AMD Ryzen 3 5300U / 4C8T / Lucienne |
|---|---|
| GPU | AMD Radeon Graphics(Vega、6CU / 384 shaders) |
| メモリ | 16GB DDR4-3200 / 1枚 / Single Channel / CL22 |
| メモリ型番 | KingFast KISD4F16G3200-D8 |
| SO-DIMM | 2スロット、1スロット使用 |
| SSD | GOFATOO NVMe 512GB / RP003-512GB |
| SSD接続 | PCIe 3.0 x4 / NVMe 1.4 |
| LAN | Realtek RTL8125 2.5GbE ×2 |
| Wi-Fi | Realtek RTL8822CE / 802.11ac |
| OS | Windows 11 Pro 25H2 / Build 26200.9445 |
| 製品名 / BIOS | Ecolite Series / BIOS Version 1.05 / EC Version 1.08 |
| ACアダプタ | 19V / 3.42A、65W出力 / PSEマークあり |
| Bluetooth | Bluetooth 5.1(Realtek Bluetooth Adapter / LMP 10.151) |
| 本体サイズ(実測) | 128×129×46mm(縦×横×高さ) |
| 本体重量(実測) | 507g |
メーカー公式サイトやAmazonではSSDやLAN仕様に表記の揺れがある。今回の個体は512GB NVMe SSDとデュアル2.5GbEを搭載し、SSDはCrystalDiskInfoでPCIe 3.0 x4 / NVMe 1.4として認識された。メモリはKingFastブランド、HWiNFO上のモジュールメーカー表記はShenzhen Micro Innovation Industryとなっている。

ブルーの筐体と通気性に優れたメッシュ
E5は濃いブルーの外周フレームと黒いデザインメッシュ、光沢のある筐体で、低価格帯ではあるがチープさを感じさせない。天面から側面にかけて広いメッシュで覆い、内部の冷却機構へ外気を取り込みやすい構造になっている。
底面カバーはゴム足部分のネジで固定されている。ゴム足部分にあるネジを外して底面から飛び出ているゴムを引っ張ると簡単に外れ、メモリやSSD、Wi-Fiカードへアクセスできる。



前面USB-Cとデュアル2.5GbE
前面にはUSB-A(USB 3.2)×2、USB-C(USB 3.2)×1、3.5mmオーディオ端子、電源ボタンを配置。背面はDC入力、2.5GbE LAN×2、HDMI、DisplayPort、USB-A(USB 2.0)×2、ケンジントンロックスロットを備え、上部には横長の排気スリットが設けられている。
HWiNFOでは2基の有線LANがいずれもRealtek RTL8125 Gaming 2.5GbE Family Ethernet Controllerとして認識され、それぞれ2,500Mbpsでリンクしている。Amazon側の「デュアル2.5GbE」表記は今回の実機と一致する。


2基のSO-DIMMと交換可能なSSD
底面カバーを外すと、大きな黒いカバーと中央のファンが現れる。カバーの大半はプラスチック素材で、SSDに接する部分だけアルミ製ヒートシンクとなっている。
SO-DIMMは2スロット。今回の16GBモデルはKingFastラベルのDDR4-3200モジュールを1枚だけ装着していた。CPU-ZのDRAM Frequencyは約1,596MHzで、DDR4-3200動作。Channel表示は1×64-bitのシングルチャネルとなる。
Radeon内蔵GPUはシステムメモリ帯域の影響を受けるため、グラフィックス性能を重視するなら同容量2枚のデュアルチャネル構成を検討したいところだが、今はとにかくメモリが高騰していて泣きそうである。
SSDはCrystalDiskInfo上でGOFATOO NVMe 512GBとして認識され、実機ラベルにはRP003-512GB / 「NVMe 3.0」と記載されている。接続はPCIe 3.0 x4 / NVMe 1.4。
またストレージ用のM.2スロットも2基備える。今回の個体では512GB NVMe SSDを搭載しているが、無線LANカード付近にもう1基の空きM.2スロットがあり、M.2 2280 PCIe 3.0 x4 SSDの増設に対応している。
CPUの冷却はブロワーファンと銅製ヒートシンク/ヒートパイプを組み合わせた構造。筐体上部の広いメッシュから吸気し、背面方向へ排熱する。鈍く光る銅製ヒートシンクはぱっと見で造りが良く冷えそうな印象だ。









普段使いは現役、3Dは設定調整が前提
Cinebench 2026
Cinebench 2026.1.3ではCPU Multi Threadが1,212pts、CPU Single Threadが268pts、MP Ratioは4.52xだった。どちらも10分のTest Throttlingを設定して測定している。
高負荷区間では平均実効クロックが約3.88GHz、区間内最大が約3.89GHz。CPU温度は平均73.3℃、最大76.9℃で、CPUパッケージ電力は平均27.7W、最大31.1Wだった。AC入力側のシステム消費電力は同区間平均38.0W、最大約44.0Wとなっている。
約16分半にわたる高負荷中も、平均実効クロックはほぼ一定だった。
Cinebench 2026 温度・クロック・AC消費電力推移
PCMark 10
PCMark 10はValid scoreで4,905。内訳はEssentials 7,314、Productivity 10,381、Digital Content Creation 4,219だった。
Productivityは10,381で、文書作成や表計算などの日常作業に強い。Digital Content Creationは4,219まで下がり、写真編集やレンダリング、動画編集ではCPUと内蔵GPUの世代差がそのまま出た。
BENCHMARK / MEASURED
CPU・システム・ストレージ
| PCMark 10 | Score |
|---|---|
| PCMark 10 | 4,905 |
| Essentials | 7,314 |
| App Start-up | 5,213 |
| Video Conferencing | 7,657 |
| Web Browsing | 9,805 |
| Productivity | 10,381 |
| Spreadsheets | 10,466 |
| Writing | 10,298 |
| Digital Content Creation | 4,219 |
| Photo Editing | 6,310 |
| Rendering and Visualization | 3,487 |
| Video Editing | 3,414 |



3DMark
CPU ProfileはMax threads 2,985、16 threads 3,002、8 threads 2,926、4 threads 2,501、2 threads 1,309、1 thread 660だった。
3DMarkのリザルト画面には、同一CPU・GPU構成のハードウェア平均値も表示される。SFFMetricの実測比較ではないため参考値として扱うが、同一構成内で今回の個体がどの位置にいるかを見る材料にはなる。
4テストすべてで平均値を16~21%下回った。今回の個体がシングルチャネル構成であることは不利に働く要素のひとつだが、比較対象にはTDP設定、冷却、ドライバ、メモリ構成などの違いも含まれるため、この差をメモリだけの影響とは断定できない。
| テスト | 総合 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| Night Raid | 8,144 | Graphics 8,252 / CPU 7,584 |
| Steel Nomad Light | 682 | Graphics 5.06 FPS |
| Time Spy | 785 | Graphics 690 / CPU 3,593 |
| Fire Strike | 1,978 | Graphics 2,186 / Physics 12,316 / Combined 666 |
3DMARK HARDWARE AVERAGE / REFERENCE
| テスト | E5実測 | 3DMark表示の平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| Night Raid | 8,144 | 10,051 | -19.0% |
| Steel Nomad Light | 682 | 815 | -16.3% |
| Time Spy | 785 | 974 | -19.4% |
| Fire Strike | 1,978 | 2,505 | -21.0% |



ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
こちらは実際の3Dゲームプレイを想定した環境として参考になる。GPU高負荷区間では使用率がほぼ上限に張り付き、最大99%まで上がった。1080pでは画質を落としても余裕は小さく、負荷の軽いタイトルや古めのゲームを設定調整しながら遊ぶ、という使い方が現実的だ。
1920×1080 標準品質(ノートPC)とした場合でもスコアは2,192で「設定変更を推奨」となっている。グラフからもわかるようにGPUがボトルネックになってCPUが遊んでしまっている。
面白いのは消費電力だ。AC消費電力が最大となったベンチマーク冒頭でも46.15Wに収まっている。
| 設定 | Score | 判定 |
|---|---|---|
| 1920×1080 高品質(デスクトップPC)/ FSR | 1,461 | 設定変更が必要 |
| 1920×1080 標準品質(ノートPC)/ FSR | 2,192 | 設定変更を推奨 |
FF14 黄金のレガシー 高品質時の負荷と消費電力
CrystalDiskMark
PCIe 3.0 x4接続としてはハイエンドSSDではないが、OSや一般的なアプリの利用で不足を感じにくい。CrystalDiskInfoのスクリーンショット取得時点ではSSD温度は52℃だった。
| テスト | Read | Write |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 2,083.13 MB/s | 1,805.07 MB/s |
| SEQ1M Q1T1 | 2,032.61 MB/s | 1,718.25 MB/s |
| RND4K Q32T1 | 416.52 MB/s | 362.16 MB/s |
| RND4K Q1T1 | 34.42 MB/s | 116.71 MB/s |



ブラウザベンチマーク
低価格帯のミニPCでは、CPUの絶対性能だけでなく、普段使いのWebアプリがどれだけ軽快に動くかも重要だ。Microsoft Edgeを使い、Speedometer 3.1とJetStream 2.2をそれぞれ3回測定した。
Speedometer 3.1は3回平均で18.4。実際のWebアプリ操作に近いワークロードを使うテストで、Webブラウジングやブラウザベースのアプリを中心とした普段使いの軽快さを見る指標として扱っている。3回とも18.3~18.4に収まった。
JetStream 2.2は3回平均で241.433。JavaScriptやWebAssemblyを中心とした処理性能を見るテストで、SpeedometerよりCPUとブラウザエンジン寄りの性能が反映される。3回は238.638~244.818で、こちらも測定ごとのばらつきは小さい。
| テスト | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 3回平均 |
|---|---|---|---|---|
| Speedometer 3.1 | 18.4 | 18.4 | 18.3 | 18.4 |
| JetStream 2.2 | 238.638 | 240.842 | 244.818 | 241.433 |






2.5GbEの実効速度をほぼ引き出す
E5の特徴はデュアル2.5GbEだ。実機ではRealtek RTL8125を2基搭載し、HWiNFO上では両ポートとも2.5Gbpsでリンクしている。
iPerf3は30秒・4 Parallel Streamsで送受信を測定した。BOSGAME E5からサーバー、サーバーからBOSGAME E5のどちらも8.29GBを転送し、2.37Gbpsを記録している。
1秒ごとのSUMもほぼ2.37~2.38Gbpsで推移し、30秒間に大きな落ち込みはない。公称2.5Gbpsに対して約95%の実効速度で、LAN側はきれいに性能を出し切っている。NASとの高速転送、小規模サーバー用途、通常LANと専用ネットワークを分ける構成などにも使いやすい。
無線LANはRealtek RTL8822CEの802.11ac。BluetoothアダプターはLMP 10.151で、Bluetooth 5.1として動作している。最新世代の無線環境ではないが、CPUの世代や総合的なパフォーマンスを考えれば、実用上は十分な組み合わせだ。
IPERF3 / 30 SECONDS / 4 STREAMS

約16分半の連続負荷でも最大76.9℃
ベンチマーク時の室温は25℃±1℃。BIOSのPower Limit SelectはPerformance(35W)を選択した。設定項目にはQuiet 15W、Balanced 25W、Performance 35Wの3段階が用意されている。
Cinebenchの高負荷中、HTC / PROCHOT CPUのスロットリングフラグは全サンプルでNo。PPT Limitは平均66.3%、最大74.4%にとどまり、TDCは約40%、EDCも約42%止まりだった。
温度、電力、電流のいずれかの制限に張り付いてクロックが落ちる挙動は見られない。小型筐体ながら、Performance設定の長時間負荷を安定して処理できている。

アイドル約8W、CPU高負荷38.0W
AC入力側のログでは、Cinebench測定前のアイドル区間を1秒間隔で記録した中央値が約8W。CPU高負荷時は平均38.0W、最大約44.0Wだった。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークはGPU高負荷区間全体の平均で、高品質設定が31.8W、標準品質が28.8W。瞬間値ではなく、GPUが継続して高負荷になっている区間をまとめた平均値だ。
付属ACアダプタは19V / 3.42Aの65W出力。PSEマークもしっかり表示されている。