Ryzen 3 7330U+16GBオンボードメモリ、
SATA SSDで割り切った「NiPoGi P2」
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Zen 3世代の4コア8スレッドCPUを搭載しながら、16GBのオンボードメモリと256GBのM.2 SATA SSDで、4万円台を実現した割り切りモデルを実機でテスト。

前回のBOSGAME E5に続き、今回も低価格帯から実用性の高そうなミニPCをAmazonで購入した。選んだのはNiPoGi P2のRyzen 3 7330U搭載モデル。4コア8スレッドのZen 3 CPUにRadeon Graphicsを内蔵し、16GBのオンボードメモリ、大胆にも256GBのM.2 SATA SSDでストレージは要検討。CPU・GPU性能、ストレージ、ブラウザ、冷却、消費電力から内部構造を実機ベースで確認してみた。
SELF-PURCHASED / AMAZON AFFILIATE
NiPoGi P2 16GB / 256GB
レビュー機は自費で購入しています。本記事にはAmazonのアフィリエイトリンクを含み、リンクから商品が購入された場合、SFFMetricに紹介料が入ることがあります。
Ryzen 3 7330Uと16GBオンボードメモリ
NiPoGi P2は複数のCPUバリエーションを展開する。購入した個体はAMD Ryzen 3 7330Uモデルで、4コア8スレッドのZen 3 CPUを搭載する。メーカー公式のオンラインストアにはRyzen Embedded R2544も掲載されている。
Ryzen 3 7330Uの公称デフォルトTDPは15W、最大ブーストは4.3GHz。前回レビューしたRyzen 3 5300Uとコア・スレッド数は同じだが、CPUアーキテクチャはZen 2からZen 3へ更新され、L3キャッシュは4MBから8MBに増えた。実機の持続性能はCPUの公称値だけでなく、電力設定と冷却にも左右されるため、後半で測定結果を確認する。
| CPU | AMD Ryzen 3 7330U / 4C8T / Zen 3 / Barcelo R Up to 4.3 GHz / Base 2.3 GHz |
|---|---|
| GPU | AMD Radeon Graphics / 6C / 1800 MHz |
| メモリ | 8GB×2 LPDDR4X / 3200MT/s SK hynix H9HKNNNFBMAVAR-NEH |
| SSD | 256GB M.2 SATA / KEYWAY KY281-256GB M.2 SATA / NVMe対応空きスロット×1 |
| LAN | Realtek RTL8168/8111系 / 1GbE×1 |
| Wi-Fi | Realtek RTL8821CE / 802.11ac(Wi-Fi 5) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.0(LMP 9.453) |
| OS | Windows 11 Pro 25H2 |
| ACアダプタ | 19.0V / 3.42A / 定格64.98W |
| インターフェース | USB-A(USB 3.2)×6 USB Type-C(USB 3.2)×1 HDMI DisplayPort 1GbE LAN 3.5mmオーディオジャック |
| 本体サイズ(実測) | 128×128×48mm(縦×横×高さ) |
| 本体重量(実測) | 448g |
HWiNFOのシステム概要ではRyzen 3 7330U、16GBメモリ、KEYWAY製256GB SATA SSDを確認した。メモリはBIOS上でChannel A・Bに8GBずつ、3200MT/sとして認識された。CPU-Zでも約1596MHz、2×64-bitと整合する。物理DRAMの刻印とCPU-Z・HWiNFOのメーカー表示には不一致がある。詳細は後程。


メタリックシルバーのプラスチック外装
NiPoGi P2は正方形に近いシルバーの筐体で、天板と側面のスリット部分から銅色のアクセントを入れた通気部が見える。筐体はプラスチック、全体的にややチープな質感で銅の差し色が拍車をかけている。底面には広い吸気開口があり、天板と側面のスリット、さらに左右側面と背面に通気スリットを備える。実測サイズは128×128×48mm、重量は448g。



付属品にはACアダプタ、ACケーブル、HDMIケーブル、マニュアル、VESA固定用と思われるプレートとネジ類を確認した。ACアダプタの表示出力は19.0V / 3.42A、64.98Wだ。


Type-Aを6基、有線LANは1GbE
前面に電源ボタン、USB-A(USB 3.2)×2、USB Type-C(USB 3.2)×1、3.5mmオーディオジャック。背面にUSB-A(USB 3.2)×4、HDMI、DisplayPort、1GbE LAN、DC INを備える。



天板側からSSDと無線カードへアクセス
背面側のネジを1本外し、つまみをスライドすると天板のロックが解除される。蓋を外すとアルミカバーがあり、いかにも2.5インチSSDが収まりそうなスペースが現れるが、接続するためのケーブルなどは無い。




アルミカバーの裏側には、M.2 SSDの冷却用に熱伝導シートの貼り付け位置がマークされているが、熱伝導シートは付いていなかった。アルミカバーの下にはKEYWAY製M.2 SSD、無線LANカード、2基目のM.2コネクタがある。メモリはSO-DIMMではなく基板直付けで、CPUが実装されている裏面にある。ちなみに銅色の部分はプラスチック。プラスチックのツメではめ込まれて固定されているので、そこそこ力を入れないと外せない。
256GBのM.2 SATA SSD
標準SSDはKEYWAY KY281-256GB。CrystalDiskInfoはSerial ATA / SATA 600と表示された。空きM.2コネクタ部分SSD_CON1には「PCIE+SATA」のシルク印刷が見える。ストレージ用のM.2スロットは2基備える。基板上の「SSD_CON2」はM.2 SATA専用で、NVMe SSDは認識しなかったが、「SSD_CON1」はM.2 SATAとNVMeの双方に対応し、NVMe SSD装着時はPCIe 3.0 x4での動作を確認した。



オンボードメモリと冷却
メモリはSK hynix製8GB LPDDR4Xモジュール(H9HKNNNFBMAVAR-NEH)2個のオンボード実装。しかしCPU-ZやHWiNFOではMicron Technology(MT53E1G32D4NQ-046WTE)となっている。
調べてみると実メモリの固有情報ではなく、ファームウェアなどに上書きされているダミー値のようだ。おそらく別モデルのファームウェアをベースにしていたり、仮情報として入力した値を修正せずに製品版に適用しているようだ。実物と表示情報が異なるのは何となくもやもやするが、一応問題なく動作している。
Ryzen 3 7330UはAMD公式仕様でLPDDR4X-4267まで対応。BIOSでも各チャネルとも最大4266MT/sと表示されるが、Current Speedは3200MT/sとなっており、製品側の設定で動作速度を抑えているようだ。






冷却は大型のシングルファンとフィンスタックのヒートシンクで筐体底面から吸気して、周囲のスリットから排気する構造。裏側部分はCPU部分にグリス、電源回路部分に熱伝導シートが貼り付けられている。


DC INコネクタは基板に直接取り付けられていることが多いが、コードで引き出されて筐体側にコネクタが取り付けられている。おそらくUSBポートをはじめとするI/Oが多く基板上に実装できなかったのだろう。

日常処理は十分、3D用途は設定次第
Cinebench 2026
Cinebench 2026.1.3ではCPU Multi Threadが1,313 pts、CPU Single Threadが319 pts、MP Ratioが4.11xだった。どちらも10分のTest Throttlingを設定して測定している。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| CPU Multi Thread | 1,313 pts |
| CPU Single Thread | 319 pts |
| MP Ratio | 4.11x |

CPU使用率90%以上が連続した高負荷区間では、コア実効クロック平均3,583.5MHz、CPU温度平均83.9℃、CPU PPT平均27.9W、AC入力平均35.0Wだった。サーマルスロットリングは確認されておらず、実効クロックの細かい変動は温度による性能低下ではなく、設定された電力枠の中でBoostクロックを細かく調整している挙動と見られる。CPU Performance / Wattは1,313 ÷ 34.97Wで約37.5 pts/Wとなる。
Cinebench 2026 温度・実効クロック・AC消費電力推移
PCMark 10
PCMark 10はValid scoreで5,248。内訳はEssentialsが7,731、Productivityが10,532、Digital Content Creationが4,819だった。
Productivityは1万点を超えており、WebやOfficeを中心とした日常処理でパフォーマンス不足は無いが、Digital Content Creationは4,819。より負荷の高いコンテンツ制作などの処理では、CPUと内蔵GPUのクラス相応の差が出る。
BENCHMARK / MEASURED
CPU・システム・ストレージ
| PCMark 10 | Score |
|---|---|
| PCMark 10 | 5,248 |
| Essentials | 7,731 |
| App Start-up | 5,368 |
| Video Conferencing | 8,023 |
| Web Browsing | 10,733 |
| Productivity | 10,532 |
| Spreadsheets | 12,397 |
| Writing | 8,949 |
| Digital Content Creation | 4,819 |
| Photo Editing | 7,037 |
| Rendering and Visualization | 4,237 |
| Video Editing | 3,755 |

3DMark
3DMarkのリザルト画面には、同一CPU・GPU構成のハードウェア平均値も表示される。SFFMetricの実測比較ではないため参考値として扱うが、同一構成内で今回の個体がどの位置にいるかを見る材料にはなる。
4テストすべてで3DMark表示の平均値を14.6~52.0%上回った。今回の個体は同一CPU・GPU構成の平均より高いスコアを示したが、平均の集計条件や個体数を確認することはできないので参考数値として厳密な比較には使わない。
| テスト | 総合 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| Night Raid | 11,474 | Graphics 12,417 / CPU 8,024 |
| Fire Strike | 2,756 | Graphics 2,976 / Physics 13,422 / Combined 1,004 |
| Steel Nomad Light | 910 | Graphics 6.75 FPS |
| Time Spy | 1,061 | Graphics 941 / CPU 3,903 |
| テスト | P2実測 | 3DMark表示の平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| Night Raid | 11,474 | 9,546 | +20.2% |
| Fire Strike | 2,756 | 2,404 | +14.6% |
| Steel Nomad Light | 910 | 694 | +31.1% |
| Time Spy | 1,061 | 698 | +52.0% |




3DMark CPU Profile
CPU ProfileはMax threads 2,976、16 threads 3,001、8 threads 3,006、4 threads 2,641、2 threads 1,552、1 thread 835だった。スレッド数別の結果を以下に示す。
| Threads | Score |
|---|---|
| Max threads | 2,976 |
| 16 threads | 3,001 |
| 8 threads | 3,006 |
| 4 threads | 2,641 |
| 2 threads | 1,552 |
| 1 thread | 835 |

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
実際の3Dゲームプレイを想定した環境として参考になる。GPU高負荷区間では使用率がほぼ上限に張り付いた。1080pであっても負荷の高いタイトルでは余裕は小さく、グラフィックス設定を調整しながら遊ぶ、という使い方が理想だ。
1920×1080 標準品質(ノートPC)とした場合でもスコアは3,302で「設定変更を推奨」となっている。高品質時のグラフからもわかるように、高負荷区間ではGPU使用率は平均約97%、GPU実効クロックは平均約1,750MHzだった。一方、CPU使用率は平均約21%、CPU実効クロックは平均約770MHzで、GPUがボトルネックになってCPUが遊んでしまっている。グラフ上の3秒平均が最大となったのはベンチマーク開幕のスパイク部分で、約42.5Wが確認できる。
| 設定 | Score | 判定 |
|---|---|---|
| 1920×1080 高品質(デスクトップPC)/ FSR | 2,231 | 設定変更を推奨 |
| 1920×1080 標準品質(ノートPC)/ FSR | 3,302 | 設定変更を推奨 |


FF14 黄金のレガシー 高品質時の負荷と消費電力
FF14 黄金のレガシー 高品質時のCPU・GPU温度と実効クロック推移
CrystalDiskMark
CrystalDiskMark 9.0.3 x64、3回、8GiBで測定した。SATA接続のSSDとしては可もなく不可もなく特に問題はないが、NVMeの速度に慣れていると大容量データのコピーだけでなく、アプリケーションの起動でも遅く感じる。また256GBの限られた容量も悩ましい。今回のテストを実施するにあたって、Windowsアップデートや各種ベンチマークソフトをインストールすると使用率は全体の30%を超える。
| テスト | Read | Write |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 528.25 MB/s | 404.63 MB/s |
| SEQ1M Q1T1 | 479.26 MB/s | 364.20 MB/s |
| RND4K Q32T1 | 226.52 MB/s | 78.64 MB/s |
| RND4K Q1T1 | 25.15 MB/s | 48.79 MB/s |


ブラウザベンチマーク
低価格帯のミニPCでは、CPUの絶対性能だけでなく、普段使いのWebアプリがどれだけ軽快に動くかも重要だ。Microsoft Edgeを使い、Speedometer 3.1とJetStream 2.2をそれぞれ3回測定した。
Speedometer 3.1は3回平均で20.3。実際のWebアプリ操作に近いワークロードを使うテストで、Webブラウジングやブラウザベースのアプリを中心とした普段使いの軽快さを見る指標として扱っている。1回だけ18.5と落ち込んだが平均値は良好だ。
JetStream 2.2は3回平均で297.100。JavaScriptやWebAssemblyを中心とした処理性能を見るテストで、SpeedometerよりCPUとブラウザエンジン寄りの性能が反映される。
| テスト | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 3回平均 |
|---|---|---|---|---|
| Speedometer 3.1 | 21.0 | 18.5 | 21.4 | 20.3 |
| JetStream 2.2 | 296.381 | 300.770 | 294.150 | 297.100 |






iPerf3による1GbE LAN ベンチマーク
iPerf3は30秒・4 Parallel Streamsで送受信を測定した。対向には2.5GbE対応サーバーを用意、NiPoGi P2からサーバー、サーバーからNiPoGi P2のどちらも3.32GBを転送し、949Mbpsを記録。1GbEとして上限近くまで利用できている。
無線LANはRealtek RTL8821CEの802.11ac。BluetoothアダプターはLMP 9.453で、Bluetooth 5.0として動作している。最新世代の無線環境ではないが、CPUの世代や総合的なパフォーマンスを考えれば、実用上は十分な組み合わせだ。
IPERF3 / 30 SECONDS / 4 STREAMS

CPU PPT約28Wの持続負荷
Cinebenchの高負荷区間ではCPU温度が平均83.9℃、最大85.2℃、コア実効クロックは平均約3.58GHz。CPU PPTは平均27.9W、最大28.1Wで、設定上限付近を維持した。
HWiNFOの電力制限理由は高負荷区間の70.9%で「はい」だったが、HTC / PROCHOT CPU / PROCHOT EXTによるサーマルスロットリングは確認されなかった。今回の持続負荷では、温度限界より約28Wの電力枠が動作を制御していたと考えられる。
FF14ではGPU使用率が平均約97%、GPU温度は平均約60℃。高品質・標準品質の両ログでもサーマルスロットリングは確認されなかった。
アイドル約6.1W、CPU高負荷35.0W
Cinebench測定前後の安定した無負荷区間を各約1分集計すると、AC入力側の中央値は約6.1W。CPU高負荷区間は平均35.0W、最大42.4Wだった。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークはGPU高負荷区間全体の平均で、高品質設定が33.4W、標準品質が34.4W。瞬間値ではなく、GPUが継続して高負荷になっている区間をまとめた平均値だ。
付属ACアダプタは19.0V / 3.42Aの定格64.98W出力。上の消費電力はコンセント側のAC入力を測った値で、アダプタのDC出力定格とは測定位置が異なる。